2017年05月26日

7年間に5回の被害事故を受ける原告の症状は前事故と重複等から本件事故での受傷を否認して請求棄却した事案~判例ニュース

 【名古屋地裁平成27年12月18日判決】(自保1968号100頁)

64歳女子原告は、横断歩道を自転車で横断しようとして交差点に進入したところ、同交差点に左折進入しようとした被告車の側面に衝突し、頚部捻挫等の傷害を負い、約5か月通院で症状固定した。原告は、過去7年間に5件の自転車事故で内3件の賠償金を受領していた。

裁判所は、「本件事故が軽微な事故であること、原告の愁訴に基づいて治療がなされたなどの治療経過、真摯な治療態度がうかがえず、殊更に受傷の言動、さらには、前提事実のとおり原告には過去に複数の交通事故歴があって賠償金の請求をした経験があることからすると、(省略)原告が本件事故により受傷したと認めることはできない。」として請求を棄却した。

 

 [コメント]

今回の受傷部位と同一の頚部を過去の交通事故で負傷していたことを理由に請求棄却されたというよりも、本件事故は、原告車の前輪タイヤと被告車の左側面が低速度で衝突した事故であり、両車に目立った損傷も残らない程の軽微な事故であった等の事故の態様から、原告が本件事故で頚部捻挫を負ったとは考え難いとして請求棄却されたものと考えられます。

 

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