専業主婦は、給料をもらっていないから休業損害や逸失利益の賠償を受けられないと思われていませんか?
実は、専業主婦でも休業補償を受けられますし、逸失利益も賠償してもらえます。最高裁判所が、主婦の家事労働を金銭的に評価できるものとして認めているのです(最高裁昭和49年7月19日判決)。炊事、洗濯、掃除、買い物といった家事を、家政婦など人を雇ってしてもらった場合、相当な報酬を払わなければなりませんから、主婦の家事労働もきちんと金銭的に評価すべきだろう、ということです。
では、どのくらいの金額が専業主婦の休業損害として認められるでしょうか。
裁判実務では、専業主婦の休業損害を算定する場合、原則として女性労働者の全年齢平均賃金額を基礎とするとされています。現在の女性労働者の全年齢平均賃金額は年355万円程度、日額にすると約9,700円ですので、たとえば事故により10日間入院をし、100%家事労働ができなかったとすると、9,700(日額)×10(日間)×100% で 97,000円が休業損害として認められるということです。仕事をしている主婦(兼業主婦)の場合は、仕事での実収入(給料等)が平均賃金を上回る場合には実収入を基礎にし、実収入が全年齢平均賃金額を下回っている場合は全年齢平均賃金額を基礎に休業損害を算定することになります。
しかし、多くの保険会社は、裁判実務とはかけ離れた低い金額(日額5,700円)を提示してきます。主婦である被害者の方は、「収入がないのに休業補償してもらえるなんてよかった。」と思われるかもしれませんが、安易に保険会社の提示を受け入れないようご注意ください。具体的な主婦の休業損害の額は、年齢、お怪我の内容・程度、家事労働の内容・程度、家族構成等によって異なってきますので、これらの事情を説得的に保険会社に説明し交渉していくことが重要です。
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