過剰診療とは、医学的な必要性または相当性(合理性)が認められない診療のことをいいます。
つまり、通常の方法により治療が可能なのに、あえてそれ以外の診療を行うことです。
交通事故の賠償実務上、治療費が認められるためには、通院の必要性及び相当性があることが条件とされています。
交通事故が原因で通院、治療をしたからといって全ての治療費が事故と因果関係があるものとして無条件で認められるわけではないのです。
治療費が賠償上認められないということは、認められなかった部分の治療費は「自己負担」になるということです。
事故当初、相手方の保険会社が全ての治療費を払ってくれていた場合は、慰謝料などの他の損害から認められない部分の治療費が差し引かれてしまうことになります。
交通事故の治療費は自由診療で高額なケースが多かったり、治療が長期間に及んだりすることが多いため、過剰診療を続けていると認められない部分の治療費が膨れ上がり、本来もらえるはずであった慰謝料等がもらえないということになりません。
任意交渉の際に相手方保険会社側が通院や治療の必要性・相当性を認めてくれない場合、裁判でその必要性・相当性について争うことになりますが、その必要性・相当性について証明する責任を負うのは被害者側です。
よく裁判で問題になるケースに整骨院の過剰診療があります。
整形外科での診断名は頚椎捻挫だけであるにもかかわらず、腰や下肢など診断名にない部位の施術も行われていたり、過剰な日数の施術、たとえば週5回(平日毎日)加療が行われていたりといったケースです。
医師の同意がない、あるいは医師が必要性相当性を認めた範囲を超える施術は過剰診療として認められない可能性が高いといえます。
また、週5回の加療が必要相当だ(週2~3回の加療より改善効果が高い)ということを医学的に証明することは困難でしょう。
ただ通院をして、言われるがまま治療を受けていただけ・・・であったとしても、ご自身が治療費を自己負担することになる可能性は否定できません。
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