交通事故コラム

2015.09.24更新

交通事故における現場検証(実況見分)の重要性

交通事故が発生した後に最初にやるべきことは警察を呼ぶことです。

 

事故現場にきた警察は、事故当事者や目撃者の証言を聞きながら実況見分(現場検証)を行い、事故の状況を書類にします。人身事故の場合は「実況見分調書」が作成され、物損事故の場合は「物件事故報告書」という実況見分調書よりも簡易な書類が作成されます。双方の過失割合に争いがある場合には、これらの書類を基に話し合いを進めていくことになります。

 

また、後日、相手方と示談交渉や裁判をする際には、警察が作成した「実況見分調書」が極めて重要となります。したがって、警察の実況見分に立ち会う際には、事故の状況を詳細かつ正確に伝え、調書に反映してもらうことが大事になりますので、警察の作成した調書が事実と違う、自分の主張とは違うと思ったら、安易に調書に署名・捺印しないようにしましょう。 もし、担当の警察官が、「大体の状況で構いませんよ。」と言ってきたとしても、納得できるまで訂正を求めるべきです。

 

事故で怪我をして病院に搬送され実況見分に立ち会うことができなかった場合、相手方の証言のみで調書が作成されてしまいます。後日、警察が再度実況見分を 行う場合もありますが、当事者の一方の証言を全く聞かずに、もう一方の証言だけで調書が作成されることも珍しくありません。自分の不利な内容の証拠しか残らないことになってしまうわけですから、本当に恐ろしいことです。もっとも、調書には当事者の署名・捺印が必要ですので、警察に署名・捺印を求められた場合には、しっかりと調書の内容を確認し、事実と違う、自分の主張とは違うと思ったら、実況見分のやり直しを求めてください。目撃者がいたときは、その方から詳しく事情を聞き取り、可能であれば連絡先を聞くようにしましょう。

 

時間が経てば経つほど、証拠も散逸し、記憶もあいまいになります。必要がある場合には、事故直後にできるだけ事故現場や車両の写真を撮ったり、メモを取るなどして証拠を残すよう心掛けてください。事故当時の衣服やヘルメット、眼鏡などで損傷したものがあれば、すぐに捨てたりすることなく可能な限り写真を撮るようにしてください。

 

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